想い

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震災からもうすぐ2週間が過ぎようとしています。

徐々に倒壊した建物などの片づけが進んで参りました。

 

全壊してしまった昔の蔵、半壊した木小屋、柱の折れた自宅の片づけ作業の中で私達の歴史を身をもって感じました。

我が家の歴史は400年。その後、明治36年に今野醸造を宇喜治が開業いたしました。

初代宇喜治は 、明治時代の平均寿命40歳の中、65歳で味噌屋を始め、まさに命がけでこの今野醸造、今野家を残してくれたようです。

我が家の歴史を辿ると、明治の政策施策の中、 第二次第二次世界大戦の中、多くの存続の危機的困難が待ち受けていたことが覗えます。

しかし、先代達がその困難の中にも希望を捨てず死にもの狂いで働き、亡くなる直前まで家族、従業員そしてその家族を守り抜いたようです。

 

ですから、これらの建物は全て、遠い昔のご先祖様が、まだ見ぬ私たち子孫に向けて命をかけ残してくれた想いなのだと。

倒壊した旧蔵を見つめ、父である現:蔵元当主昭夫から、改めてそう言い聞かされました。

 

正直、子供のころは古くてかっこ悪いなと想ったことも多々あります。

新しい家や、建物にあこがれを大きく抱いたこともあります。

しかし、今はとてつもなくロマンと誇りを感じて仕方がありません。

これが、私の生きる道。この震災を通し、改めて私の進むべく道を確認することができました。

この命がけのタスキを、18代目とし後世に命をかけて渡す覚悟でございます。

迷いは一切ございません。私もこの道を全力で走り抜けてみせます。